2010年3月8日月曜日

過年 子犬の変

「2月14日の新月は新しい始まりです」
星占いの一文
のん気に構えていたら大変なことが起こった

2月14日に日付けが変わった約1時間後
同居人Sが帰ってきたのだ

子犬を一匹連れて

驚いて(呆れて)ものも言えない私と同居人Kに向かって
Sは言う
「帰る途中、寄った店に捨て犬が居てさ
 私が『来るか?』と訊いたらこの子は近寄ってきたんだ。
 もう、かわいくてさ。だから連れて帰ってきた。
 でも、私はあんまり縁を感じないんだな。
 君たちも縁がないと思うなら元のところに返してくるよ。」

なんなんだ なんなんだ その理屈は!!!

旧正月で店も病院も5日間は開かないだろう
今晩から数日 寒い日が続くのだそうだ
生後2ヶ月足らずの小さな身体を震わせているこの子を
いまさら返すことなど出来る筈がないじゃないか・・・

Kは苦笑して言う
「台湾の洗礼を受けたね。
 覚悟しな。これがここの『普通』だからね。」

紆余曲折あって
経済的にも 時間的にも 精神的にも
私がこの子を幸せにできるのか
悩んで 話し合って 結局 私が筆頭飼い主ということになった

子犬は「はつめ(初芽)」と名付けられた

うちに来てから三週間
初芽は すくすくと 育っている

ひょっとすると もう少し この国に長居せねばいけないのかもしれません
私 いつか祖国に帰れるのでせうか

ああ ああ!(「るきさん」'92.10.29より)

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