2010年12月1日水曜日

テレビのない生活

先日 同居人と夕食を食べに行った店に テレビが置いてあって
気がつくと 二人ともジッとテレビに見入っていた
「テレビがある家に上がりこむ 戦後の日本人みたいだね」
「たまに見ると CMさえ新鮮に感じるねぇ」と笑って
またニュース番組に目を移した

台湾に来てから テレビを見ない生活をしている
そういう時間もないし 特に見たい番組もない
テレビがないと 家の外の音がクリアーに聞こえてくる

廃品回収の掛け声
建設工事の重機音
登下校中の子供の声
教会やモスクやお寺から流れる お祈りや歌
つたないピアノの練習曲
風に揺れる木の葉の音
雨の音
裏のお屋敷にやってくる鳥の声

世の中の情報には疎くなったが
生活上さして不自由はない
自分のまわりにある事実を 素直に感じ取れるような気がする

台湾に来て10ヶ月半が過ぎた
最近 来たばかりの頃をよく思い出す
来たばかりの頃は何もかもが新鮮に見えた
あの頃はまだ「旅する」世界 にいたように思える
今でも新しい物事には たくさん出会うけど
今の自分は 台北に「暮らす」目線で
それらと向き合っているように感じている
それは事実で いいことでも 悪いことでもない

ただ 台湾という国を見つめる
もうひとつのフィルターを
いま 手に入れ始めたのだろうことは
この国との 距離が縮まったようで
うれしいと思う

2010年11月21日日曜日

おいしい芭樂の見分け方

芭樂(ばーらー)と書いて グァバ のことである
台湾では 芭樂が とにかく一年中食べられる
ひとつ大体50~70日本円くらい
台湾で見かける 芭樂は 色で大きく分けて二種類
中が薄赤いのは野生のもので少し高い
中が白い方が一般的だ
私は白い方が好きだ

さて この芭樂
個人差があるだろうが 私は柔らかくて甘いのが好きだ
ほぼ毎日一個の頻度で食べ続け 数カ月
最近 おいしい芭樂を見分けられるようになってきたようだ

① 少し小ぶりのもの
② まん丸で表面に凸凹がないもの
③ 外側はやや黄色味をおびた色の薄いもの
④ 全体的に柔らかいもの(目安:トマト)

以上の条件をおさえた芭樂は
90%の確率で クリーミーで甘くておいしいのである

芭樂は
皮と種も含めて丸ごと食べられる
さっと水で洗って丸かじりする
実は芭樂の種は お通じに よく効く

甘草(天然甘味料の一つ)に漬けたものや
ジュースも売っているが そんなもん決して買うんじゃない
シンプルに美味しい芭樂を
何もつけずに 丸かじりが最高に美味しいんである
もし芭樂を見つけたら お試しあれ

2010年11月17日水曜日

紅豆包心圓

台北の11月
平均気温は23度
毎日 雨が降る
台湾の空気は湿度が高いので
実際の体感気温は数字で見るより寒く感じる

少し前までは
豆花や仙草をかき氷入りで食べていたが
今は熱々のぜんざいが恋しい

太順街の行きつけの屋台では
紅豆包心圓(ほんどぅばぉしんゆぇん)というのがある
柔らかく煮た小豆一粒一粒をタピオカでんぷんで
コーティングしてムチムチに茹で上げた包心圓を
甘い粒ぜんざいに入れたものだ

寒い日は これが一等おいしい
ここの老闆(らおばん:店主)は ひょうきんな おじいちゃんで
「テストに合格しないと食べられないよ」と
お客を試す
「紅豆包心圓 いっこ くださいな」というと
「いっこかい!?」といって
一粒の包心圓を取り出して見せる
「紅豆包心圓 一椀 くださいな」これが正解なのだ

会計には「はい 4万元ね(本当は40元)」
どっかで聞いたようなネタだが
おじいちゃんが言うとなんか 心があったかくなる

紅豆包心圓
名前もいいではないか
心を包んだ まん丸
木喰上人の句のようだ

みなひとの こころをまるく まんまるに
どこもかしこも まるくまんまる

きゅうきゅう ムチムチ まんまるの包心圓をほおばって
私の心も まんまるになるといいなぁ と
雨音を聞きながら思っていた

2010年11月14日日曜日

寒い日は

寒い日は

油豆腐(油揚げ)
大根薄切り
レンコン薄切り
小松菜ざく切り
ショウガの千切り

昆布だしでぐつぐつ煮込んで
仕上げに醤油をひと垂らし

熱いうちに平らげて
これで風邪っぴきの体も芯からホカホカだ

台湾だって冬は いっちょまえに冷えるんだい

2010年10月8日金曜日

短いうた

自由であれ 自由であれ

すばらしき世 すばらしき人

さざなみ消えし その魂に

静かな光が 輝くだろう

2010年9月20日月曜日

宮保の落花生

台湾料理の濃い濃い味で 私が好きなのは
三杯(さんぺい)と宮保(ごんばお)である

三杯は お酒 醤油 砂糖 塩の濃い味で
海老 または 鶏肉 または イカ 蟹などの主材料を
ニンニク 生姜 玉葱 九層塔(台湾バジル)と一緒に
油たっぷりで強火で炒める料理法である

宮保は お酒 醤油 塩 の これまた 濃い味
前述の主材料を
ニンニク 赤唐辛子 落花生 わけぎ と一緒に
強火で炒める

宮保は私にとって難解な料理である
味が難解なのではない
宮保のなかの落花生が難解なのである
明らかに量が多すぎると思うのだ

私が考える料理の材料構成としては
主材料に重点を置くのが普通だ
だから主材料が たとえば海老なら
副材料は 多くても海老の二分の一程度の量が適当だろう

もちろん例外はあるだろう でも 主は主 副は副
私のこの原則を 宮保は裏切る
主材料の2倍近く落花生を加えてあるのだ
というか もう 落花生の中に主材料が埋もれる感じ

この大量の落花生を誰が食べきれよう?
まして台湾のお箸は先が太く
落花生などの小さいものを摘む作業には多大な集中力を要する
その上 ニンニクと赤唐辛子も 薬味の領域を超えて もはや尋常な量ではない
これだけ入れる意味はあるのか?
難解だ 難解だ

昔から「落花生を食べ過ぎると鼻血が出るよ」と注意されたものだ
同時に「食べ物は極力食べ残さないこと」とも言われて育ってきた
適当な対応が分からぬまま 毎回宮保の落花生は大量に残される

どーすればっ
どーすればっ

けれど毎回三杯と宮保を頼んでしまう
だって美味しいんだもん
これを浪費というのだろうか
あぁっ

2010年9月12日日曜日

英語はどこへ

台湾へ来て はや9ヶ月が経とうとしている
現在
私にとって 深刻な事態が発生している

英語が全く話せなくなってしまったのだ

渡台前は 片言の英語で
必要最小限の旅行会話くらいは話せたはずなのに
今や I や Go や Yes さえ出てこない
出てこないというか 中国語で出てきてしまうのだ

どうやら 私の脳内の外国語を話す分野(母国語の分野も若干)が
いま 全て 中国語に塗りつぶされているらしい
以前 英語で塗られていた分野も すっかり中国語一色
贅沢な悩みといえば贅沢な悩みか
この間までは それでも良いではないかと思っていたのだが
最近 気がつく

じゃ これまでの苦労は いったい…?
中学校から最近まで 長い間 頑張って覚えてきた
あの英単語や会話文法は いったいなんだったのか??
これでは無駄になって終わってしまうではないか!!
いかーんっ

急いで近くの本屋に駆け込み
英会話の本を一冊買い求める
どうせなので 英中文の会話集を買ってみる
これは なかなかよい
中国語の実践的な会話集も兼ねているではないか
と 漢字の方ばかり読もうとしていることに はたと気付く
あぁ 本末転倒 いかんいかん

まさか 今更英語を勉強することになろうとは

先は長いが また頑張って
失った英語力を取り戻すのだ
あ、あい きゃん 那個~(えっとあの~)…

2010年9月10日金曜日

トマトジュースについて

台湾の飲み物は ほとんどが甘い

トマトジュースも例外ではない
台湾のトマトジュースは果汁70パーセント
蜂蜜と檸檬が入っている
これが意外と美味しかったりする

日本のトマトジュースが飲めなかった人が
これなら飲める という

いくら野菜だとはいえ
トマトは身体を冷やすものだし さらに甘味も添加してある
嗜好品は嗜好品 ときどきでいいのだ

最近(我が家のみ)ひそかに流行っているのが
トマトジュースを冷凍庫で半冷凍して飲むことだ
市販のアイスクリームよりは健康的 …だろうか

夏の間のお楽しみということで

2010年9月1日水曜日

お金の使いどころ

お金というものは まわさねばならない と
その人は言う
私はそのとき はぁ と答えた

道端で小さな雑貨を売る 体の不自由な人達
5分の間に同じ人に二度出会ったとき
その人はひとつ雑貨を買った
車椅子に乗った人は
何度も何度も笑顔で 「謝謝」 と言った

道端のノラネコ親子6っ匹
「あの小さい子が心配なんだよね あんなに痩せ細って」
毎週1,2度 猫の餌を こっそりあげる為だけに
その人は バイクで片道20分の道程を走っている

台北の郊外に ローカルな夜市がある
観光地化されてない ゆっくりした空気が流れる その夜市で
店の人は 何処も皆 底抜けに人が良い

少々無理な頼みごとを ちょっと戸惑いながらも
とびきりやさしい笑顔できいてくれた果物屋の老闆(らおばん)に
わざわざ引き返して袋いっぱいのフルーツを買う
「どーしよ たべきれないわ」 と笑いながら

その人は言った ご恩はご恩で返すのだ と
そして こうも言った
こういう所にお金を落とさないと駄目なんだよ と

やさしい人にお金を使う
やさしい人が ずっと やさしく いられるように

私はそっかぁ と うなずいた

果物屋のフルーツは甘くて美味しかった
次も また あの店に買いに行こう と
口にしなくても 考えているのが わかった

2010年8月29日日曜日

近況

8月13~19日
 家の法事のため一時帰省する
 たくさん会いたい友人がいるのだが
 実際はなかなか時間が取れず 悔しく思いつつ福岡を発つ
 
 帰省中 強く感じたのは
 故郷が自分の身体に深く染み込んでいたということ
 そして 台湾という国に私は根を生やしてないということだった
 半年ハンドルを握って無くても
 通い慣れた道はスイスイと運転できたし
 福岡で過ごしていると
 台湾での出来事がすべて幻か何かのように感じた
 
 まだだ まだまだなんだ と何かが訴えてくるようだった

8月23日
 台北で新しい仕事が始まる
 日本語を教えるという仕事だ
 常々 美しい言葉は美しい人格をつくる と考えてきた
 言葉に携わる仕事を与えられたことを嬉しくも思うし
 また 大きな責任も感じずにいられない
 
 元々 台湾に来た目的は
 台湾全土の文化や風土をじかに見たいということ
 台湾料理をいくばくか習得したいということだった
 はじめは6ヶ月もあれば十分かと思っていたら
 ふたを開けてみれば
 言葉が通じない 時間が足りない
 この野望達成は1年でも足りないくらいだと
 考えの甘さを反省した

 というわけで もう少しだけ此処に居ることにしたのだ
 今回台北での職を得るために
 尽力してくれた友人たちに感謝している
 もう少しだけ此処でいろんなものを見ていたい
 
8月29日
 仕事が始まって一週間が過ぎた
 慣れない仕事だということと
 授業の緊張感と準備の多さに疲れる
 少しずつ慣れていこうと思う
 中国語も何とか勉強し続けたい
 

2010年8月3日火曜日

水蜜糖愛文マンゴーと有機豆花

台湾の夏は すさまじく暑い
暑い日があるのではなく 常に暑いのである
特に昼の12時から14時にかけては殺人的な日差しなので
皆 遊ぶのは夕方や夜になる

自ずから 台湾のお店の営業時間も
夜中心になってくるようで
洋服や雑貨の店が夜10時を過ぎても営業するのも当たり前だし
夕方から朝の6時まで営業する食堂も少なくない
24時間営業のスーパーマーケットもあちこちにある

台北郊外の新店には
なんと24時間営業の八百屋がある
そこは24時間営業だけがウリではない
ものすごーく安いのである
普通のスーパーマーケットの半額近いものも多い

ある日そこで「水蜜糖愛文マンゴー」なるものに出会った
それはそれは甘くて香り高くて
マンゴーというか白桃にさえ近い感じなのだ
600g大体2,3百(日本)円
これ 永康街の果物屋で4、5倍の値段で売っているらしい
友人は2つ買ってみた次の日に すぐさま
わざわざバイクで20分かけて8個買い足しに行った
私も思わず一緒に4つ買った

この味を覚えたら
永康街のマンゴーカキ氷のマンゴーなんて
正直どうでもよくなってしまうのである

それからその新店の八百屋の向かいに
有機豆乳と有機豆花の「豆花朴」がある
ここの有機豆花は今まで食べた中でダントツ美味しかった
夕方はこのあたりは市場が立つらしい
新店はまだまだ開拓する楽しみがありそうだ

2010年7月26日月曜日

一路順風

一路順風

旅立つ人よ
あなたの無事を願うものが
ここにもいます

一路順風

旅立つ友よ
あなたの無事を願うことができる
私はとても幸せな人間です

だから友よ

かならず無事で帰ってきて
元気なあなたの笑顔を
また私に見せてください

まぼろし

異郷の地に
ふるさとの友

話していると

台北の街が福岡に見えた

ここは故郷か
まぼろしか

ふるさとは 故郷の地にだけあるのではない
ふるさとは ひとの心の中にも存在するもの

2010年7月5日月曜日

善意の人

「彼女は本当にいい人だよ 本当に善良な人」と
リディアさんを紹介されたのが ちょうど2年前の今くらいの時期だった

永康街にある おそらく台湾で一番のフェアトレードショップのオーナー
独立独歩 成功した女社長という肩書きからは全く想像もできない
とても温和で愛らしい女性というのが第一印象だった

日本からふらりとやってきた何処の馬の骨ともわからぬ若造に
二日限りの小さな雑貨市を開く場所を
本当に何の見返りも望まず 快く貸してくれて
「ああ~楽しかった~!」 と一緒になって楽しんでくれた

公平貿易(フェアトレード)と環境保護への意識も高く
強い意志を貫こうとする彼女は
確かに「善良」という言葉がふさわしい人だ

最近 彼女のフェアトレードショップ「地球樹 Earth Tree」の
二号店が中山北路の台北光點近くにオープンした
温かみがありながら洗練されたデザインの店内に
質の良いフェアトレード商品が並ぶ
リディアさんのセンスが生かされた美しい店になった

世界のすべてを良くするのは 容易くできる事ではないが
それでも今 自分一人からでも始めれば
少しずつでも世界は良い方向に変わっていくのだ

ならば私も少しずつ 少しずつ 「善良」な行動をしよう
できるところから 少しずつ

2010年7月1日木曜日

世界一愛しい場所

今まで一度も福岡の夢を見たことがなかったのに
今朝初めて ふら の夢を見た

とてもよく晴れた日で
そこには懐かしい友や
チエコさんやササキさんやアビルくんがいて
いつもの あのまるで時が止まったかの様な空気の中
楽しそうに話すチエコさん達を見ながら
私は いつもの温かい珈琲を飲んで

「ああ ずっとずっと わたし此処に帰ってきたかったんです」と
心の中でつぶやいて 胸が熱くなった

そして目が覚めた
目が覚めて チエコさんの珈琲が
すごくすごく飲みたかった
飲みたかったのに 飲みに行けないので
とてもとても悲しくなった
こんな感情は初めてだった

やっぱり 私にとって ふらは特別な場所なのだ

台湾に来る時に
チエコさんたちから頂いた言葉は
今でも私を強く支えてくれている

8月に帰ったら直ぐに珈琲飲みに行こう
絶対直ぐに飲みに行こう
そんで「ただいま すごく会いたかったです」って言うんだ
あの世界一愛しい場所で

2010年6月30日水曜日

変わりなさい

恐れることはない

変わりなさい
変わっていきなさい

どんなあなたでも
あなたが私の大切な友であることに 変わりはない

いつでも私にとって一番大事なのは
あなたが元気でいてくれること

だから

望む所へ どこでも行きなさい
望む事を なんでもしなさい

あなたが何をしていたって
私があなたを大好きなことに 変わりはない

そこは永遠に変わらないんだよ

物はいつか土に返り姿を消す
記憶はいつか大きな光に溶けて忘れ去られる

でも必ず残るものもあるはず
私はそれを信じている

だから 友よ
恐れず生きなさい
生きて変わっていきなさい

私の好きな あなたらしさは永遠に失われないと
私は信じている

夏なんです

最近の台湾は毎日必ず雨が降る
午後二時を過ぎる頃から 待ってましたとばかりに
雷ゴロゴロ雨ザアザアと降って来る
スコールの季節なのだろうか

昨晩も雨が降ったのだろうか
少し濡れた地面を見下ろしながら
今朝 学校までの路を
NUUさんの歌を口ずさみながら歩く

ちゅんちゅんぴっぴぴ
小鳥が口笛吹いて
雨が止むよと教えてくれる
空に沈んだ灰色の雲を
金魚掬いで掬ったら
不忍池に沈めて綺麗な蓮を咲かそう

ふと 小鳥の口笛でなくて
蝉の声が鳴り響いているのに 気がついた
ああそうか いつの間にか もう夏なんだ

雨が降らなければ 焦げ付く日差し
こっちでは
「太陽咬人(たいやんやおれん)」
太陽が人を噛むと言うのだそうだ
太陽に噛まれて 日々私の肌は健康的に黒くなる
いっそ小学生の夏休みの様に丸焦げになってみようか
そうすれば きっと カキ氷がもっと美味しく感じられるに違いない

もうすぐ期末テスト
そしてその後には短い夏休みが待っている
海でも行くか それとも山か
だって夏なんですもん

2010年6月13日日曜日

古賀先生の教え

今朝 雨に濡れたアパートの階段で 見事に滑って尻餅をついてしまった
今日はどこかに出かけようと思っていたのに
あいててて

私も もうそう若くない
明後日には腰が痛くて動けなくなるかもしれない
仕方が無いから按摩に行くことにした

福岡で 長年勤めさせてもらっていた
古賀整骨院の古賀先生は
こんなとき 「あっためなさい!冷やさんごと!」という
患部を暖めて血行を良くすると
そのぶん自然治癒力が上がって治りが早くなるのだそうだ
古賀先生の理論は非常に鋭いと思う
「いつか本にまとめようかと思って」といいつつ
きっと今も大勢の患者さんに追われて
院内をところ狭しと忙しく飛び回ってるんだろうな

次第に痛みを増す腰を引きずって
何とか永和の按摩院にたどり着く
90分みっちり揉んでもらって1000元(3000円)
今日はゴットハンドの老闆(ラオバン:店主)は居なかった
まあいいや だいぶん軽くなったから
これから暫くは加圧ベルト巻いて
自力で血行良くして治療することにしよう

はて とんだ日曜日でした

2010年6月11日金曜日

はつめのこと

はつめに出会って もうすぐ4ヶ月になる

2月14日に日付が変わってまもなく家にやってきた
片手に乗るほどの 小さな小さな子犬は
ぐんぐん ぐんぐん成長して
今や10キロ以上の立派な体格で
毎日 遊ボウヨーー!! と
勢い良く体当たりしてくる

少し早いかとも思ったが
最近 ドライフードから 手作りのご飯に少しずつ変え始めた
栄養は欲しいけど消化もよくなくちゃいけないので胚芽米で
お肉や魚や卵も入れて 野菜も気候に合わせて陰陽を考えてみる

飼い犬は飼い主に似てくるというけれど
手作りご飯をあげ始めたら さらに似るのかな

はつめ
ただいま7ヶ月
元気に育っている

おみくじ上上

台北市西部にある龍山寺は
混沌とした空気の漂う場所だと思う
ホームレスやお坊さんや観光客
ありとあらゆる人達がお寺の周りに集まって雑然としている

ここに来てお参りした後は 必ずおみくじを引く
台湾のおみくじは手順があって ちょっとややこしい
心の中で神様と会話するように
自分の名前やら住所やら聞きたいことやらを唱える
おみくじを引いて良いかお伺いを立て
OKが出たら引いて
もう一回この結果で良いかお伺いを立てる
もう一回OKが出てはじめて詳しい結果が見られる

龍山寺のおみくじを これまで何度か引いてきたが
いつも涙が出るほど悪い結果ばかりで
引くたびに軽く落ち込んでいたのである

「見かけは良さそうかも知れないが実際はうまい話じゃないぞ」 とか
「苦しいときは黙って伏せて時期が過ぎるのを待て」 とか
(結構当たるから 余計落ち込む)

それが昨日 初めて良い結果が出た

上上(大吉) !

ふう~っ よかった よかった

2010年6月7日月曜日

できること できないこと

台湾的親友がつぶやく

出来ないことができない
出来ることもできない

今の私もそうだ

その原因はどこにあるんだろう

周りの状況にか?
自分自身にか?

出来ることさえできなくなってしまったら
どうしようか

体力が落ちると不安に飲み込まれる
心を落ち着いてないと焦りに心を囚われる

思い通りにいかなくてへこんだら
まず体力つけるんだ
まずは元気になって
それから辛抱強く状況を見極めるのだ
待つんだ
そして
冷静に動くのだ

ベストチャンスは必ずやって来る
勇気をだして飛び込むんだ

2010年5月28日金曜日

謝謝光臨

母が日本からやってきた
母のお友達と一緒に 3日間の弾丸ツアーをした

故宮 孔廟 迪化街 紫藤廬 永康街 101 ショーロンポー
九イ分 十イ分 台湾シャンプー 足裏按摩 夜市
朝ごはん屋 お粥屋 生ライチ 生マンゴー 生ドリアンetc...

我ながらよく詰め込んだものだ
わが母ながらよく付いて来てくれたものだ

古賀先生から パンパカパンのパンもらったのよー!って
すさまじい量のパンを持ってきた
うれしくてうれしくて

同じ頃
友も日本からやってきた
一週間の台湾周遊
うらやましくて ホントはなんもかんも放り出して一緒に回りたかったのだ
楽しかったって聞いて安心した
彼らの視点は鋭くて 台湾について考え直すことが多かった

プレゼントあとで届きますからー!って
福岡から届けてくれた懐かしい品々
うれしくてうれしくて

ああ 私まだ繋がってんだ
ちゃんと根っこがあそこにあるんだ そういう安心感と
今でもみんなが応援してくれてるんだ そういう感謝

来てくれてありがとう おかげで もうちょっと頑張れそうです

大きな勇気をもらった日々だった

2010年5月15日土曜日

弥太郎さんと真理ちゃん

昨日は弥太郎さんのお話を聞いた

”僕にとって一番大事なのは友達です。仕事はそこまで重要じゃない。
でも、本気でやってるってことは誰にも負けない”
”僕の夢は親孝行です"
”自由とは良識と良心を持って善いことをしよう、と言う意味だと思う"

「でも僕も完璧に出来てないです」
彼に憧れるたくさんの人をまっすぐに見て
そう言える弥太郎さんは
とても強くて、正直な人なのだ
http://haveaboodayshop.blogspot.com/2010/05/here-comes-sun.html

私は正直な人が大好きだ

今日は真理ちゃんに会ってきた

彼女の視点も とても正直だ
ふと思った疑問を 目をそらさずに見つめ続けて
自分の答えを見つけていく
もてる限りのパワーで 一生懸命に表現していく
等身大で正直な人だ
http://blog.roodo.com/bfgallery/archives/12287829.html

私はそんなに正直な人間ではないと思う
うそをつくのは気持ちが悪いので
出来るだけすくなくと思っているが
ぜんぜんうそつかないのは やっぱり私には困難だ
だから 正直な人に 一種の憧れを抱くのかもしれない

2010年4月20日火曜日

ふぁんたん

飯 米團(ふぁん とぁん:米團で一文字)
台湾式おにぎりのことである

日本のおにぎりといえば お昼ご飯や おやつとして食べるイメージが強いと思う
(あくまで個人的なイメージですので異議のある方はお知らせください)

台湾のおにぎりは 朝ごはんに食べるもの というのが常識なようである
街角には早朝から営業する朝ごはん屋さんがあって
毎朝 出勤通学前の腹ペコな老若男女でにぎわっている
みんな大抵 急いでいるので 簡単でお腹にたまるメニューが多い
豆乳と油條(中華式揚げパン:南関揚げみたいなサクサクした食感)
大根餅 中華式おかゆ 中華麺 サンドイッチ 葱蛋餅(卵と葱のおやき)

台湾おにぎりも どっしり大きな大きな俵型
作り方は日本の太巻きのような感じで
ビニール袋で包んだ 20センチ四方のハンドタオルの上に
ラップを敷き おしゃもじたっぷり二杯分のご飯を広げたら
そぼろ肉 卵 油條 など たくさんの具を乗せて
最後にタオルごとくるくるっと 巻き上げる
所要1分 ちょっとした早業エンターテイメントである ぱちぱち

美味しそうで何種類も買って食べ比べたいと思うのだが 一食にひとつが限界である
なぜかというと 理由は ご飯
台湾おにぎりのご飯は もち米なのだ
ひとつ食べるともうお腹いっぱいになって
しかも腹持ちよすぎて下手すると お昼ごはんまで食べられなくなるのである

もち白米のおにぎりが普通だが
もち紫米(100%!)のおにぎりもある
紫米って玄米でしょ
もち米で玄米で って 最強じゃないですか
でもやっぱり美味しいの
飯粒好きには たまらんの

もしも朝 街角で行列の出来てる飯米團やを見かけたら
お昼は抜く覚悟で一緒に並んでみるといい
ほかほか もちもち の 美味しい朝ごはんが食べられるに違いない

2010年4月13日火曜日

台湾の砂糖

台湾で一番ポピュラーな砂糖は 二號砂白 という砂糖
糖度98.3以上 サトウキビ原料
粒子の粗い 肌色の砂糖
要するに 三温糖 ということでいいのかと思う

更に糖度の高い真っ白な砂糖も 同じくらい人気のようだが
ある人は 「白い砂糖は味気が無くって」 と 二號砂白を使う

紅糖 黒糖もあって こちらは少しお値段高め
粉砂糖を売っている店は少ない
ざらめ糖は珈琲糖として売ってある
街角で時々 リアカーに乗せた生のサトウキビを
その場で絞ってジュースを売っているのを見る
たぶんサトウキビだけ買うのも出来るんだと思う

サトウキビ以外の糖としては
蜂蜜 麦芽糖が次いで一般的のようだ
麦芽糖は安い 日本の3~4分の1くらいの値段である
甜菜糖はほとんど見かけない
前に一度だけ自然食品店で外国産のを見たが 日本より少し高かった
メープルシロップもほとんど見ないし 高い

台湾の人は口をそろえて 日本のお菓子はすごーく甘い という
日本のお菓子は 日本茶や珈琲と一緒に食べることが前提だからね というと
あー なるほどね でも甘すぎるよ という
大体の台湾の人は お菓子に対しては
「不太甜的:ほんのり甘いもの」が好きで
「太甜的:甘すぎるもの」は嫌いなようだ

お菓子の甘さとフルーツの甘さは比例しているように思える
台湾のフルーツは種類も量も たくさんあるが
どれも日本のものに比べて そんなに甘くない
ここにも好みが反映されているのかな

でもね 実は 甘い飲み物に関しては別問題なのだ
珈琲には ほとんどの人が自動的に 砂糖とミルクたっぷり入れるし
街角のジューススタンドは砂糖もたっぷり入れるのが普通
ペットボトルの日本茶中国茶も大半が砂糖入りだ(気をつけましょう!)
暑い国なので水分と糖分を一緒に取れるほうが効率的ということもあるのか
気をつけないと虫歯になってしまいますよー

2010年3月31日水曜日

日本から持ってきたもの④

④ おろし金

これは はっきり言って 無駄足だった
だって どこでも買えるのだもの!

むしろ無いのは すり鉢
すり鉢 欲しいー 大きいのと小さいのが欲しい

もとい
なぜおろし金を持ってきたか
しばしば 体調を崩しそうになる時
特効薬は 大根おろしと 梅醤生姜番茶
すりおろす作業は必須なのである

私が 台湾なら暮らせる!と思った理由は
台湾の鍋料理屋では 大根おろしが取り放題なのを発見したからだ
だけど そう度々鍋を つつきに行っては お財布の方がもたないので
大根おろしが自分で出来るように と思ってもってきたのだった

台湾では大根が手に入りやすいか?
心配御無用!
台湾料理にも大根を使ったものがたくさんあるのだ

一番有名なのは羅葡餅(ルオボーピン:大根餅)
すりおろした(ここで気づくべきでした)大根ともち米の粉を混ぜて蒸して 仕上げに焼いたもの
台湾風おでん(台湾はおでん屋さんが多い)にも柔らかく炊いた大根

そして最近のお気に入りが 羅葡糸糸餅(ルオボーシーピン:「糸糸」で一文字です)


マッチ棒くらいの太さに細切りした大根と葱のみじん切りに
軽く塩を振って なじませた後
それを厚さ5ミリの小麦粉の生地で包み上げ
直径10センチ 厚さ2,3センチの円盤型に整えて
たっぷり油を引いた鉄板で
こんがりと揚げるように焼くのである

一枚75円(日本円)
一個でおなかいっぱい 大満足
晴れた日は 近所の公園のベンチに座って日向ぼっこしながら
もしもお金が無くなったら
一日一個 一ヶ月間食べ続ければ生きていけるかも とか
くだらないこと考えつつ 羅葡糸糸餅を 頬張るのだ

むむむ 話がどんどん逸れてきたぞ
とにもかくにも
煮てよし 焼いてよし おろしてよし
台湾では大根に困ることは無いのである

ちなみに大根は中国語で 羅葡(ルオーボー) といいます
漢字で大根と書いても通じませんよ
お間違えなく!

2010年3月28日日曜日

筍とアジと南勢角

台北の南方
MRT南勢角駅のそばに
大きな 昔ながらの市場がある

台北の街も 今では どんどん垢抜けて
古い町並みや通りは 次々と
西洋近代的で無機質な風景に塗り替えられているなか
いまだに庶民の台所として 活気を失わないエネルギーに満ちあふれた そこには
これまで行った どの市場 スーパーマーケットより
安くて 新鮮な野菜とお魚とお肉がある

青菜は一束30円(日本円)
大きなブロッコリー4個60円
採りたて筍ふたつ120円
まるまるしたサバ2尾300円
基隆で引き上げたばかりの新鮮なアジ2尾150円

ここは楽園ですか
こんなに安くって いいのですか
なんか おかしくないですか ああ ああ

久しぶりに食べたアジの塩焼きは
ホントにホントに美味しかった

筍は
若竹汁と
筍ご飯にした

買い物が終わって
道端に座ってタバコをふかす友人と話す
「ここに来ると なんかエネルギーを どっと持ってかれる感じ」
「でも 同時にもらう感じもあるね」
「体の中をエネルギーがどんどん流れて 入れ替わっていくの」
「そうそう そんな感じ」

もし 体の中に悪い気がたまったら ここに来たらいい
悪いものは ぜーんぶ全部 吸い取られて
財布の中身が軽くなったころには
新しいエネルギーと 新鮮な食べ物だけが残るのだ
台北のエネルギースポット 南勢角なのだ

2010年3月18日木曜日

孔雀餅乾 原味

餅乾(ぴんがん)とはクッキーのこと

スナック菓子は 日頃そんなに頻繁に食べないが
誘われれば ありがたく頂く
友人と持ち寄ってお茶するときなんかは 買ったりする
大抵の場合 孔雀餅乾で 間違いはない
しかも 赤いパッケージのプレーン(原味)が好い

食感は 生地3:空気7
サクサク というより スカスカ
ただ これが他のクッキーと違うのは
卵の風味が ものすごーく 濃ゆいのだ

生地の軽さと 卵の風味の コントラスト

初めて食べたとき 軽く衝撃を受けてしまった
「めちゃくちゃ気に入った」 と言ったら
「じゃあ全部食べていいよ」 と言われ
ホントに全部食べきってしまった

周りの台湾人に 「孔雀餅乾が好き」 と言うと
とても嬉しそうに「だよねーっ」と 返ってくる

スナック菓子の美味しいメーカーは「義美」だと思っているが
(比較的添加物も少なく 素朴な味が多い)
でも 孔雀餅乾は 私の中で 特別なポジションにつけているのである

台湾土産には孔雀餅乾
「原味」一筋 浮気はだめよ
アイスクリームのお供にも最高なのだ

2010年3月14日日曜日

モグ MOGU 蘑菇

蘑菇(もぐ)
中国語で きのこ

エリンギ まいたけ しいたけ シメジ いろんな 蘑菇(きのこ)を
オリーブオイルかバターで軽くソテーして 塩コショウして
白い皿に たんまりのっけて ガーリックトーストつけて 炭酸水も一緒に
リビングのテーブルにドンッと置いて
大きなフォークと 麻のナプキン片手に
窓からの光の中 ゆらゆら ゆれる湯気をかきわけて
はふはふ いっぱい 頬張って もぐもぐ もぐもぐする
そんな図が この言葉を聞くと 思い浮かぶ
(あと中華料理編も2つあるんですけど長くなるので省略:I LOVE きのこ)

蘑菇 MOGU という雑誌がある
台湾で特別な人気のあるデザイン事務所Boodayが発行する雑誌
日本で言うなら アルネや暮らしの手帖という感じで
そこには 台湾の日々の生活の中で埋もれている
ささやかで 小さな宝物たちが 愛情たっぷりに綴られている

Boodayの人たちと出会ったのは2年ほど前
彼らの作る雑誌 プロダクト 空間は
「私たちの暮らしている台湾って 好い所がたくさんあるんだよ」と おしえてくれる
彼らの考えや感覚に 新たな発見があったり 共感したり
とにかく大好きな人たちなのだ

先日台東に行ったのは 実は
Boodayの新作Tシャツの写真撮影に誘われて
彼らの見つけた台東の好い所をたくさん見ることが出来た
こっそり私も たくさんすばらしい発見をしてきた
台東の思い出は 台湾でみつけた宝物のひとつ
Boodayの皆さんホントにありがとう
(撮影の様子)


台湾に来たら
お土産屋さんもいいけど
Booday shopは間違いなく特別なものがあります
Tシャツもオーガニックコットンだしね
おすすめですよー
(ちなみに福岡市のDECOで雑誌MOGUを扱ってます)

お礼状のつもりが 宣伝になってます

MOGUで思い出したけど
台北市の和平東路沿いにある
素食天地(ベジタリアンバイキングレストラン)の
まいたけのから揚げが 一番のお気に入りなのです
台湾バジルも一緒に揚げてあるの
好香(はおしゃん)ね!

2010年3月10日水曜日

自転車をいただく

ようやく 昨日自転車が手に入った

知り合いの彼女が乗らなくなっていた自転車を譲ってもらったのだ
ありがとう!!
黒のシンプルな折りたたみ自転車だ
好看!(はおかん!かっこいいね!)
サイズもぴったりだ

さっそく中山から迪化街へ買い物に足を伸ばす
ビュンビュン飛ばすバイクとバスとタクシーに混じって
ひょーろりひょろひょろ ははは あぶないあぶない ひえーっ
久しぶりの自転車はやっぱり楽しい
自転車の程良い速度と目線の高さが
新しい台北の街を見せてくれる

でもね自転車 ものすごく盗まれやすいのですって
心配だから新しく鍵も買いました
いつかマスクも買わなくちゃ
台北の排気ガスっていったら もお すさまじいんだから
いつか自転車かついで電車に乗って遠出しよう
楽しみでたまらない
ふふふ

2010年3月9日火曜日

台東③ おのぼりさんはのぼるもの

台東で泊めていただいた
TomさんMimiさん夫妻のお家は
木造二階建ての機能的で遊び心のある所で
そして緩やかな傾斜の一枚屋根がある
庭のテラスには屋根の上に登れるようにハシゴもある

そう
旅のルールその③とにかく登る である

朝は 歯磨きしながらストレッチして
   椰子の木の向こうに見える海を眺める
昼は 孔雀クッキー(後日紹介)と西瓜とボンゴレスパゲッティをつまみに
   台湾ビールを飲んでごろごろ日向ぼっこ
夜は 遠くに聞こえる波音を聞きながら
   夜空の星をいつまでも眺める

あの屋根の上で暮らせというなら 喜んで暮らしましょう
ちなみにTomさんは最近ツリーハウスを作る計画があるらしい
ほほぅ まさにトムソーヤですね(親父ギャク申し訳ない)
いいな いいな

そういえば 屋根の上でたくさんのツバメたちと出会った
今の時期は台湾に来てるんだな
日本の店の軒先から巣立った子ツバメたちは
今どこに居るのだろう
おーい 元気にやってるかい
私は元気だよ

2010年3月8日月曜日

過年 子犬の変

「2月14日の新月は新しい始まりです」
星占いの一文
のん気に構えていたら大変なことが起こった

2月14日に日付けが変わった約1時間後
同居人Sが帰ってきたのだ

子犬を一匹連れて

驚いて(呆れて)ものも言えない私と同居人Kに向かって
Sは言う
「帰る途中、寄った店に捨て犬が居てさ
 私が『来るか?』と訊いたらこの子は近寄ってきたんだ。
 もう、かわいくてさ。だから連れて帰ってきた。
 でも、私はあんまり縁を感じないんだな。
 君たちも縁がないと思うなら元のところに返してくるよ。」

なんなんだ なんなんだ その理屈は!!!

旧正月で店も病院も5日間は開かないだろう
今晩から数日 寒い日が続くのだそうだ
生後2ヶ月足らずの小さな身体を震わせているこの子を
いまさら返すことなど出来る筈がないじゃないか・・・

Kは苦笑して言う
「台湾の洗礼を受けたね。
 覚悟しな。これがここの『普通』だからね。」

紆余曲折あって
経済的にも 時間的にも 精神的にも
私がこの子を幸せにできるのか
悩んで 話し合って 結局 私が筆頭飼い主ということになった

子犬は「はつめ(初芽)」と名付けられた

うちに来てから三週間
初芽は すくすくと 育っている

ひょっとすると もう少し この国に長居せねばいけないのかもしれません
私 いつか祖国に帰れるのでせうか

ああ ああ!(「るきさん」'92.10.29より)

台東② 糖廠珈琲屋

台東縣 東河郷 都蘭(どぅーらん) というところに
糖廠(たんちゃん)咖啡屋というカフェがある
少し昔まで製糖工場だった場所を
今は カフェや雑貨店や木工のアトリエなどに使っている

もしも台東に住めるなら
糖廠咖啡屋から歩いて(または自転車で)5分くらいのところに住みたいと思う
そして最低週に5回
ここで看板犬たちと日差しを避けながら
コーヒーを飲んで昼下がりの時間を過ごすのだ
暑くてどうにもならないときは
頭がキーンって痛くなるほど アイスクリームを頬張ろう
夜にはライブを聞きにきて ビールでも飲みながら
心を音楽にゆらゆら踊らして楽しむ

ふと 見回せば
特別な顔立ちと 只者でない濃密なオーラをまとった人たち
彼らは原住民の歌手や木工職人なんだよ と教えてもらう
音楽 芸術 歴史
ここには台東に住む人々のアイデンティティが詰まっているようだ
だけどまったく閉鎖的でない 押し付けがましくもない
とても自然に彼らは彼らである
探していた台湾の一面を ここで見れたような気がした

P.S. 台湾で先日大きな地震がありましたが
台北は ほとんど影響もなく
私の生活も いつもどおりで全然大丈夫です。
心配してくださって ありがとうございます。
連絡遅れましてごめんなさい。

2010年2月27日土曜日

台東①

台北駅を出発して特急電車で5時間半
台湾の東 海沿いの町に着く

ここは台北とは まったく違う
広い空と海 ぬる暑い空気 ゆるやかな時間の流れがある
懐かしい場所 小学校の夏休みを思い出す

ブーゲンビリア ハイビスカス ひまわり ココナッツ
見たことも無いような色や形の生き物を見る
街で見かける人々の顔立ちも独特
古くから台湾に住んでいた原住民の人々がここには多く住んでいるのだ

そして飾りのない穏やかな生活
此処には健やかな美しさがある

ここはいいぞ ここは絶対いい
「時間があったら」なんて言わない
「必ずや」訪れるべき場所だ
ああ、気に入ってしまった

2010年2月21日日曜日

小旅行へ

明日から四日間
台湾東部へ小旅行
渡台5回、台湾滞在1ヶ月にして
台北県を出るのは なんと これが初めてなのだ
どんな風景が待っているのだろう
どんな食べ物が待っているのだろう
どんな人に出会うのだろう

旅路には いつも決めていることが みっつある
①身の丈に合った旅をすること
②笑顔と礼儀を忘れないこと
③おのぼりさんは高いところに登るべし
今回行く所は特に高いところ(塔とか展望台とか)ってないなぁ
うん でも見つけたら登っとこう
だって おのぼりさんだもんね

休日

YOGAのことを中国語では ヨゥジャー という
此処のところ忙しくしてストレッチする余裕もなかった
今日は久々に時間が取れたので
南向きの窓に向かって
ゆっくりゆっくりヨゥジャーする

小一時間ほど運動して ご飯を食べて 少し寝て
元気になったので ブラウニーとバナナクッキーを作る

いつもより好い出来になった
やっぱり料理には体調管理が大事なのだ
当たり前のことなのに忘れていた

家の向かいは教会で 今日は聖歌隊の練習の日なのか
薄暗くなりゆく夕刻の空気の中
ふんわりと灯かりのともったステンドグラスの窓の向こうから
あたたかな賛美歌が聞こえてきた

明日は晴れるといいな と思った

2010年2月14日日曜日

新年と納豆

アジアには もうひとつの新年がある
台湾では過年(春節)とみな呼んでいる
月暦での新しい一年のはじまりの日

過年近くなると 家族や友人 お世話になった人たちへ贈り物をする
通りを行く人は足早に家へ帰っていく
どの店も長い休みに入り 街は閑散としてくる

大晦日の夜は誰もが実家に集合して 一緒にご飯を食べる
そこかしこで 縁起かつぎの爆竹が鳴る

家族集まってご飯を食べる というのが一番重要なんだそうだ
そういえば私の家も
お正月には親戚中が一堂に集まって みんな一緒にご飯を食べた
この国に来て 少し昔のことを色々思い出す

さて、大晦日 私が何を食べたか
何を隠そう 納豆なのである

驚くなかれ こちらで納豆を買うと日本の三倍価格!
現地の人の価格感覚だと 大体600円くらいに感じているらしい
超高級品 こんなときでないと買えない
日本では毎日食べていたのにな ちぇ!

日本円で300円ちょっとで50g×4パック
大晦日にひとつ食べたので あと3つ
大事に食べよう
ああ おいしい 日本の味だー

2010年2月8日月曜日

もんもんスープ

一度はやってみたかった外国暮らしも
やっぱり いいことばかりはないもので
人間 たまには
うんうん ぐるぐる もんもんと
悩みや 不安や もどかしさに囚われる

前に進むためには決して悪いことじゃないと分かっているけど
どこかで これを消化しなくちゃ身体に悪いと思うので
今日のところは スープを作ることにした

題して 「もんもんスープ」

材料:キッチンにあるもの手当たりしだい

作り方:思いつくままに野菜を切って
    思いつく順に野菜と豆などを放り込んで炒める
    好きなときに水を好きなだけ入れ
    ぐつぐつ煮込む
    美味しいと思えるまで
    いろんな材料をどんどん足していく

スープであること以外は 好き勝手に作ること
手順やルールは 完全に無視すること
途中 歌など歌ってみたり
美味しかったら小躍りして喜んでみる

もんもん は いつしか おいしい に変わって
スープは誰かの空腹を満たしていく
いつの間にか 私の頭の中もすっきり晴れている
さあ もう大丈夫
ちゃんと立てる ちゃんと走れる
もう大丈夫だ
もんもんスープよ ありがとう

2010年2月6日土曜日

ブラウニーを焼く

ブラウニーを焼く

チョコレート
バター

砂糖
薄力粉
ココア
ベーキングパウダー
くるみ カシューナッツ アーモンド
クランベリー アプリコット
ラム酒


台湾に来てから 甘いものは洋菓子ばかり作っている
まだ理想のブラウニーは出来ない
しっとりして 頬張ればチョコの香りが ぐぅんと広がる
そんなブラウニーが作りたい
試作思索中

2010年2月1日月曜日

日本から持ってきたもの③

③ バードコール

N夫妻から いただいた バードコール
あわただしい台湾生活の中の ささやかな楽しみ

直径2cm 長さ3cm 木製の筒の中に
ニカワを塗った スチールの短い棒が入っている
棒には 持ち手が ついていて
そこをつまんで くるくる 回すと
鳥の鳴き声のような「きききっ ぴぃっ」と音が出る

ときどき 近所の公園に持って行って鳴らしている

今までの成果(反応があった回数)

猫   1匹
犬   2匹
台湾人 7人
鳥   0羽

まだまだ練習が足りません
日々精進あるのみ

2010年1月29日金曜日

あぃん と あん

中国語を勉強する日本人にとって
おそらく最初で最大の難関は発音である
なかでも一番の難関は [an] と[ang] である

例えば「飯(fan)」と「放(fang)」 意味が違ってくる。

いろんな人に何度も何度も教えてもらう・・・が
わからない!!
聞き分けられない!!

ある人は [an] のとき 舌先を上と下の前歯ではさんでみせる
[ang] のときははさんでない
よぉし と まねしてみる

なぬ?ちがう?

ある人が教えてくれる
まず [ain] と発音してみろ([i] は小さめに)
すると自然と鼻に抜けた音になる
それが [an] だよ

つぎに大きくはっきり「あん」と言ってみろ
すると自然にのどの奥で「ん」と引っかかる
それが [ang] なんだ!!

そうそう、それそれ!!

発音できている時もあるようだ
出来てはいるようだが 自分では聞き分けられてない
むむむむむ むずかしい!

日本から持ってきたもの②

② パンパカパンのフランスパン

福岡市早良区にある この小さなパン屋さんには
気の置けない大好きな店主さんがいて
大好きなパンがたくさんある

あんぱん 食パン スコーン ベーグル 生姜のパン 栗のパン
りんごちゃん チーズマフィン 全粒粉100パーセントの田舎パン

とりわけ大好きなのがフランスパン
これは ぜったい譲れないのである
誰がなんと言おうと好きなんである
この香ばしい香りは 歯ごたえは 他の何処にもない

本当は三本 台湾に持っていくはずだった
荷物が多すぎて 涙目で一本にした 貴重なフランスパンを
スライスして冷凍保存して 特別なときに少しずつ食べている

ふるさとはとおくにありておもふもの
だけど ああ でもでも
パンパカパンのパンが食べたい!
誰か持ってきてくれ~~

はぁ ちょっと 一枚焼こう・・・

2010年1月18日月曜日

台湾の精進料理

台湾では
「素食(すーすー)」「素菜(すーつぁい)」というと
精進料理のことになる。
素食の需要はかなり高いらしく
外食に行けば「素菜」メニューがほとんど必ずあるし
食料品には「全素」「蛋素」「奶素」「植物五辛素」などの表記がされている。

 ※全素=動物性食品、五葷が入らない
 ※蛋素=卵以外の動物性食品が入らない
 ※奶素=動物のお乳以外の動物性食品が入らない

素食を食べるのは健康のため、という人もいるが
信仰のため、という人も多い。
その人たちの多くは お坊さんに限らず
「にら、ねぎ系、にんにく(=植物五辛、五葷)」までストイックに避けている。
五葷を避ける理由としては主に
①体臭がつよくなる
②性欲が増す
 ので、修行などに支障がでるのを避けるためなんだそう。

全素の台湾人主婦の方に
「つくるのはむずかしいですか?(後で考えたら なんか愚問だなぁ)」と訊いたら
「普通の家庭料理と同じですよ。
 お肉やお魚は代用食品があるし 他のものは料理に入れなければいいんです」
との答えだった。

ちなみに台湾の素食は比較的安価である。
食材自体の価値や調理技術の精巧さによって
価格は確かに上下するものの
精進料理であること自体を高価格の理由にすることはあまりない。
近所のセルフサービススタイルの素菜の食堂で
ひとり日本円2~300円も出せば おなかいっぱいになれる。
日本のベジタリアンには台湾は天国だと思うな。

2010年1月17日日曜日

日本から持ってきたもの①

① 米こうじ 1kg

一度はやってみたかったのです。
台湾で 手前味噌。
大豆と塩は台湾で買えます。

大豆を一晩水に浸け 圧力鍋でやわらかくなるまで炊く
こうじに塩を混ぜて ポロポロにほぐしておく
炊けた大豆をつぶして 塩こうじと混ぜる
こぶし大の大きさの まん丸な味噌玉をつくり
漬物用の袋の中に
ばしーんっ ばしーんっ と、投げつける
(これを見て台湾人の同居人が「おしんだ!おしん!」とエキサイトする)
ぐっぐっと 平らになるよう 手で強く押さえてならす
空気を出来るだけ抜いて 袋の口を絞り おもしをする

台湾の味噌は なぜか甘い。九州の味噌より甘い。
手前味噌の味はどうなるでしょうか。
しばしお待ちを。

2010年1月13日水曜日

台湾に到着

台湾に無事到着しました。
ひとまずご報告まで。

台湾の友人は口をそろえて
今年は特別 寒い寒い というけれど
福岡よりはかなり暖かいです!

またのちほど。

2010年1月12日火曜日

ことづて

きょうまでの あなたがくださった まごころに
なさけない わたしは
なんといっていいか
うまいことばが みつかりません

いまはただ わらって あなたにつたえます
ありがとう
いってきます

また かならず あいましょう

2010年1月9日土曜日

福岡から台湾へ

離れてみると ね
故郷と じぶんが
深いところで もっと結ばれるって思えんだ
強くなれる
ならざるを得なくなるよ

だから あなたは来なさいね

すべてを見透かしたかのように
きっぱりと 彼女は そう言った

わたしは 「はい」と 答えた
それから何度 考え直しても 答えは同じだった
それで 行くことにした

其処に行きたい理由は 他にいくつもあった
でも決意したのは あの言葉があったからだ

もうすぐ故郷を離れ 彼女が愛する混沌の国へ行く

さぁて なにが始まるか
サイクハ リュウリュウ シアゲヲ ゴロウジロ

じょうよまんじゅう

じょうよまんじゅう を作る

かぼちゃあん
 Kanちゃんちのかぼちゃ
 甜菜糖
 しょうが絞り汁
 橙絞り汁
 塩

かぼちゃを ふたつに切って 種とワタを取り除き 蒸す
スプーンで実をくりぬき 裏ごしする
鍋に かぼちゃ裏ごし 甜菜糖 しょうが絞り汁
弱火で 練る よく練る 焦げないように底からまぜる
橙を絞る 数滴でいい ほんのり香るくらいでいい
塩を ほんの少々 火から下ろす
皿に広げて冷ます 小さく丸める 橙色のあんこ玉

つぶあん
 大納言小豆
 干し柿
 米飴
 昆布
 塩

小豆を洗って 水に一晩 浸けておく
鍋に小豆 水 昆布 はじめ強火で コトコト 弱火で コトコト
昆布取り出し コトコト 差し水しながら コトコト コトコト
干し柿 種を取り除いて 細かくみじん切り 加えて コトコト
塩を ほんの少々 火から下ろす
皿に広げて冷ます 小さく丸める つぶあんこ玉

大和芋擂り下ろし 米飴 根気強く擂り混ぜ
含ませた空気の泡を こわさぬよう 大事に 米粉の上で手早く生地を練る
マシュマロのような じょうよ生地で あんこ玉を包み
蒸し器に並べて 強火 8分
もくもく あつあつ 出来上がり

大切な人へ 元気でいて欲しい人へ贈るための

かぼちゃと つぶあんの じょうよまんじゅう

2010年1月8日金曜日

姉家族の年賀状


model:姉さまと三人の子供たち
shooting:義兄さま

母が東京から ひと月ぶりに元気に帰ってきた

姉夫婦の年賀状を一枚もらう
新年の楽しみである

毎年
なんとも良い味の写真をひとつだけ 絵葉書のようにシンプルに使う
私はそれをいつも一枚もらって 一年中見えるところに飾っている

今年のは格別美しい
愛があるんだね

姉さま 義兄さま ひぃさま かんさま そぅさま
おめでとうございます

2010年1月2日土曜日

新年快楽!生日快楽!

明けましておめでとうございます。
今年一年 皆さんに良いことが沢山ありますように!

年の暮れ
東京で暮らす姉夫婦に三人目の赤ちゃんが誕生しました。
初めての男の子です。
福岡から助っ人に上京した母も
早速、「いい顔してるよ!背も高い!」と、のろけのろけ。
私が会えるのは多分、夏。
それまでは写真を送ってもらうことにします。たのしみ。

そんなわけで福岡では
今年はいつもと違った静かなお正月なのです。